叶わなかった願いを内に秘め
旅人は冬枯れの空
小さな願いを手のひらに乗せ
風の機嫌を伺いながら
そっと一息吹きかけた
壊れた人の傷跡に
薬をつけても新しい傷
強い痛みが旅人の身体を奔る
悲しみや苦しみは 水面を震わせ
上弦の月にぼんやりいたずら
くにゃっと曲がったお月様
心に宿る月の調べは
一握りの真実をポケットに
旅人を何処にいざなうのだろう
まだまだ続く一本道
私達、月に行くのもそう先でもなさそうよ
振り返る戸惑い顔に
微笑み返し愛を送らん
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